今年度は、昨年のシステムの不具合と問題点の改良を行った。本研究費で構築したシステムにより、医療用静止画像およびそのコメントの登録および保存機能とWebベースでの参照は可能となった。患者情報は、参照時には秘匿され、実医療画像とその画像の診断上のコメントは臨床各科の協力で提供され、現在は、学生実習の一環として加工、登録されている。興味ある症例では、自主的にその他の関連画像などを取り込む学生も多かった。Web参照画面ではID、パスワード入力後、検索キーは(1)検査日付(2)診療科(3)画像種別(4)部位(5)臨床病名(可能な限りICD10に準拠)(6)キーワード(英字10文字、5個)とした。これにより、ヒットされた画像の一覧リストが表示され、サムネールJPEG画像が表示される。サムネールをクリックすることにより当該画像が拡大される。大筋で安定稼働が得られたため、今年度の予算では以下の改善を行った。(1)データベースサーバとWebサーバの分離:新規にWebサーバを構築するとともに、データベースのアプリケーションをOracleからPostgreSQLに変更し、検証することとした。アプリケーションでは、サムネール画像の縦横比を3:4の一定比率で表示させることとした。また、キーワードは英字と日本語とした。また、動画ファイル(AVIファイルあるいはMPEG2ファイル)の対応も行い、実装可能となりつつある。一方、インフラの問題であるが、本学周辺地域のネットワーク環境は悪く、かつ、遠隔医療との関連から既存のISDNを使用することとしていた。この方法では、セキュリティは確保されているが、画像転送にはブロードバンド通信が必要である。本学周辺にB-フレッツが敷設されたため、ルータを設置し、ファイアウオールの設定を一部、変更し、インターネットからとISDNからの双方からアクセス可能とした。セキュリティ確保、個人情報保護からWebコンテンツのアクセス制限と不正コピーを防止するソフトを導入した。
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