本年度は、ホストコンピュータ(Apple-PowerBook G4)と携帯情報端末(palm computing社ハンドヘルド m505)間において、データの同期化あるいはやり取りを行うためのシステム環境を整えた。基本的なコンピュータ・ソフトとしては、カード型データベースソフトのファイルメーカーPro5.5を用い、両者の連携にはFile Maker Mobile 1 for Palm OSを使用した。なお、ホストコンピュータのOSはMac OS 9.2で、携帯情報端末の基本ソフトはPalm OS 4.0である。 上記システムが、HotSyncクレードルを介することにより、正常に動作することを確認した。しかし、取り扱えるデータ・フィールドが20項目以下と制限があるため、現状では、約180のMDS-HCの評価項目を別個のファイルに分割する必要があることが明らかとなった。 一方、痴呆性老人および寝たきり老人を対象に、介護保険の基本調査項目の選定状況から要介護度を推定する樹型図を開発し、その推定精度を検証した。本樹型図に用いる評価項目は、「上衣の着脱」、「立ち上がり」、「食事摂取」、「排尿後の後始末」、「歩行」の5項目であるので、上記システムに載せることが可能である。本簡易プログラムの推定精度は、1クラスのずれを容認すれば9割以上の一致率が得られるため、介護の現場において十分実用に耐えると考える。
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