| 研究概要 |
1、医学生のプライマリ・ケアへの興味と進路希望に関する調査
【目的】医学生のプライマリ・ケア(以下,PC)への興味の有無と進路希望を明らかにする。【方法】全国の大学医学部長・医科大学学長から了解の得られた大学医学部の1・4・6年生を対象に、無記名アンケート調査を実施した。単純集計の後に、PC医志望と関連する因子をx^2検定により解析した。【結果】80大学中73大学(1年生:63大学,4年生:73大学,6年生62大学)において協力が得られた。有効回答率は74%。性別:男性63%,女性37%。経歴:高卒現役39%,高校浪人48%,大学他学部中退・卒など13%。PCへの興味の有無:興味がない6%,どちらかというと興味がない19%,どちらかというと興味がある47%,興味がある28%。将来の進路希望(卒業15年後):診療を行っていない5%,診療を行っている95%のうち幅広く対応できるPC医8%,専門的な医療に習熟してかつ幅広く対応できるPC医30%,幅広く対応できかつ専門的な医療が出来る専門医51%,専門的な医療に習熟した専門医11%。PC医志望と有意な関連が観察された因子:入学前からのPCへの興味,へき地の出身,女性,必修診療所実習のある大学に所属,PC教育担当科が明確な大学に所属など。
2、医学生の卒前医学教育に関する意識調査
【目的】医学生の地域包括医療現場における体験有無とその必要性の認識,及び体験有無による必要性の認識の違いを明らかにする。【方法】10大学の医学部6年生を対象に、無記名自記式アンケート調査を実施した。調査票で地域包括医療現場での体験について、詳細な項目ごとの体験有無とその必要度(全ての医学生が経験するべきか)を尋ねた。単純集計の後に,カリキュラム内実習で体験した群と非体験群の必要度の違いを検討した。【結果】回収率は70%。診療所外来見学は75%が経験しており、93%が全員が経験する必要があると回答した。経験者が半数以下の項目は,医療費の計算11%,介護保険の実際の流れの見学40%,在宅リハビリの見学41%などであった。体験有無による必要度の認識は,患者宅での患者との会話,外来での看護師の業務見学,他医療機関への患者紹介場面の見学,診療所外来見学などについて非体験群より体験群が必要性を有意に高く評価していた。
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