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2002 年度 実績報告書

高等真核生物の染色体安定性におけるBRCA2遺伝子の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13672375
研究機関京都大学

研究代表者

山添 光芳  京都大学, 医学研究科, 助手 (00284745)

キーワードBRCA2 / 相同DNA組み換え / 染色体安定性 / DT40細胞 / 条件特異株 / Cre-loxP組み換えシステム
研究概要

1.部分機能欠損したBRCA2変異株(hypomorphic mutant)の作製
平成13年度の実績報告書に述べたように、BRCA2が完全欠失したDT40細胞は致死であったので、以下のような部分機能欠損株を作製して相同DNA組み換えへの関与を調べることにした。
(1)C末側最末端の核移行シグナルを欠く変異体
(2)C末端側に存在する保存領域を欠く変異体
(3)BRCリピートの3番目以降のC末端を欠く変異体
(4)最初のBRCリピートよりもC末端を欠く変異体
(5)N末端に存在する保存領域のみを欠く変異体
2.BRCA2変異細胞の表現型の解析
上記の変異BRCA2のうち、まず1-(3)の変異体の表現型を解析した。
(1)細胞増殖能 この変異株は生存可能であったが、野生型の細胞に比べて倍加時間が1.25倍のびており、増殖遅延が認められた。
(2)DNA損傷に対する感受性 電離放射線やシスプラチンなどのDNA損傷に対する感受性が変異株では亢進していた。
(3)DNA損傷後のRad51フォーカス形成 変異株では電離放射線照射後の核内Rad51フォーカス形成が観察されなかった。従ってBRCA2はRad51がDNA損傷部位に招集されるのに関与していると考えられる。
(4)遺伝子変換効率と遺伝子ターゲッティング効率 この2つはいずれも相同DNA組み換えが関与する現象である。前者はDT40の細胞表面抗原の一つであるsIgMの変化で、後者は外来DNAの部位特異的組み込みで評価した。変異株では野生型細胞に比べて効率が顕著に低下していた。
3.今後の研究展開について
他のBRCA2変異型細胞についても上記のような表現型の解析を行い、BRCA2蛋白の構造と相同DNA組み換え機能との相関関係を明らかにする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Minoru Takata: "Conserved domains in the chicken homologue of BRCA2"Oncogene. 21. 1130-1134 (2002)

  • [文献書誌] Hitoshi Kurumizaka: "Homologous pairing and ring and filament structure formation activities of the human Xrcc2/Rad51D complex"J Biol Chem. 277. 14315-14320 (2002)

  • [文献書誌] Shunichi Takeda: "DNA Recombination"Encyclopedia of the Human Genome. (in Press). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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