研究課題/領域番号 |
13672387
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
栄田 敏之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00304098)
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研究分担者 |
青山 伸郎 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (30243299)
奥村 勝彦 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (60025707)
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キーワード | Caco-2 / ヒト十二指腸上皮細胞 / リアルタイムPCR / mRNA / MDR1 / MRP / CYP3A |
研究概要 |
平成13年度では、Caco-2細胞とヒト十二指腸上皮細胞における薬物輸送担体(MDR1、MRP1、MRP2)と薬物代謝酵素(CYP3A)のmRNA発現量の比較を行った。そこで本年度では、Caco-2細胞とヒト大腸組織・大腸癌におけるMDR1、MRP1、MRP2、CYP3AのmRNA発現量の比較を行い、さらに近年報告されているMDR1遺伝子型によるMDR1mRNA発現量の違いをヒト十二指腸上皮細胞を用いて検討した。以下にその研究結果を示す。 1.Caco-2細胞とヒト大腸組織・大腸癌におけるMDR1、MRP1、MRP2、CYP3AのmRNA発現量は、MRP2を除く薬物輸送担体発現量は同程度であったが、CYP3Aの発現量はCaco-2細胞において顕著に低かった。また、Caco-2細胞ではMRP2の発現が認められたがヒト大腸組織・大腸癌においてMRP2の発現量はわずかであった。 2.MDR1遺伝子型によるMDR1の発現量の違いを健常人から得られた十二指腸上皮細胞を用いて比較を行ったところ、MDR1遺伝子3435位のCがTに変異している者では、MDR1mRNAの発現量は増加していた。また、MDR1mRNAの発現量とCYP3AmRNAの発現量との間に正の相関関係が認められた。 以上の結果と平成13年度との結果より、Caco-2細胞における薬物輸送担体の発現量はMRP2を除いてヒト十二指腸上皮細胞よりもむしろ大腸組織・大腸癌に近いことが分かった。また、MDR1遺伝子の3435位のCがTに変異している者では、十二指腸におけるMDR1の発現量が増加することと、MDR1の発現量とCYP3A4の発現量が相関することが明らかとなった。
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