研究概要 |
研究A.粘膜傷害面積の測定および胃内腔液のCGRPを測定 カプサイシン(CaP)によるエタノール(EtOH)胃粘膜傷害の抑制で(ニューラルエマージェンシーシステムそのもので)ワイルドタイプとIPレセプターノックアウト(KO)マウスを用いてCapによる胃粘膜抑制の実験を行うとIPレセプターKOマウスではCapによるCGRPの遊離は起こらず,傷害抑制も消失した.またIPレセプターKOマウスの胃をすりつぶしCGRPの含有量を調べるとワイルドタイプと同量であった.以上よりCapにより内因性のPGI2が産生されて(昨年度判明したこと)そのPGI2の存在によりCGRPが遊離しやすくなり傷害抑制が起こっていた.よって内因性PGI2はこのシステムにとって重要なものと考えられる.PGE2は作用に関しては今年度も判明していない. 研究B.胃粘膜基底部微小循環観察法を用いて EPレセプターKOマウスを用いた実験のために咋年度マウスの胃粘膜基底部微小循環を観察する事を可能にしたが,実験開始し30分以上in vivoで観察していると死亡することが多く実験系を見直した.(今年度はこの障害の解決に多くを費やした.) 通常のヘマトクリツト(Ht)は50-60%であるのに対して死亡例は65-75%となっており脱水が死亡原因と考えられ,生理的食塩水を0.5mL/hrで持続静注する事によりHtを50-60%に保て,2時間近く実験可能となった. アセチルコリンは用量依存的に細動脈を拡張させ,エピネフリンは用量依存的に収縮させた.またrat CGRP(0.01-1μM)は細動脈を用量依存的に拡張させ,その拡張はhuman CGRP8-37(10μM>にて抑制された.ラットと比較するとほぼ同等であった.またrat CGRPとhuman CGRP8-37はマウスのCGRPレセプターに作用する事が確認された.
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