研究概要 |
これまでに、条件的不死化遺伝子導入ラット(Tg-rat)から、世界初の脳毛細血管由来周皮細胞株(TR-PCT)を樹立することに成功し、この細胞が多機能性であることを証明した(Asashima T.Iizasa H.Terasaki T. Nakashima E, Eur.J.Cell.Biol., 81,145,2002)。また、血管透過性を調節する因子として知られるAngiopoietin-1(Ang-1)を、ラットより初めてクローニングし、これを高濃度に発現する昆虫細胞系を確立した。この実験系を用いて、我々が既にTg-ratから樹立している骨髄由来血管内皮細胞株(TR-BME)への効果を検討したととろ、Tight Junctionを構築する蛋白の発現を上げることがわかった(Iizasa H.Bae S-H.Asashima T.Kitano T.Matsunaga N.Terasaki T.Kang Y-S.Nakashima E.Pharmaceut.Res.,19,1757,2002)。更に、一連のTR-PCTの細胞株を樹立し、高血圧や加齢に関連するmRNAを発現していることを確認し、これまでに報告されていなかった周皮細胞の遊走活性や、TGF-βへの応答性など、新規な特徴を次々と発見し、周皮細胞が、多機能であることを証明した(Asashima T, Iizasa H, Terasaki T, and Nakashima E, J Cellular Physiol, in press,2003)。
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