研究概要 |
1.ヒトP1構造遺伝子の単一ヌクレオチド多型(Single Nucleotide Polymorphisms ; SNPs)の同定 (1)DNAシークエンスにより新たに5箇所のSNPsを同定した。5`側転写調節領域(A-908G)、5`側非翻訳領域(報告済みのG38A)、エクソン1領域(G118A)、イントロン1領域(C1225T, G1226A)、イントロン2領域(C4777G)にSNPsを同定した。G-908AとG38Aには弱い相関が認められた。C1225TとC4777Gには強い相関が認められた。 (2)G118AはP1タンパク分泌に関与するleader peptide様アミノ酸配列を変化させるSNPsである。P1タンパクの細胞外分泌に対するG118Aの影響を,強制発現のシステムで解析した。G118Aの塩基がAの場合(アミノ酸はアラニン),Gの場合(アミノ酸はスレオニン)と比較してP1分泌量が30%低下することを確認した。 (3)IgA腎症と,G38AのアリルAが相関することを報告した。 (4)サルコイドーシスと,A-908GのアリルGが相関することを報告した。 2.ヒトP1と相互作用する因子(蛋白質)の同定 leader sequenceを欠損させたヒトP1をbaitとして、two-hybrid法によりヒトP1と相互作用する蛋白質の同定を試みた,その結果,抗バクテリア作用を有するクリプチヂン類似ペプチド(CRP ; CRYPTDIN-RELATED PROTEIN),カルボキシペプチターゼEを同定した。
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