研究概要 |
1.ヒトP1構造遺伝子の単一ヌクレオチド多型(Single Nucleotide Polymorphisms ; SNPs)の解析。 我々はヒトP1構造遺伝子のSNPをDNA direct sequencing法により検索して,既存のSNPを含めて6個所のSNPを同定した。これらのSNPを比較的手技が簡便で高価な機器を必要とせず安いランニングコストで解析できるように,multiplex allele specific PCR(MAS-PCR)を応用したSNPタイピング法を開発した。 3'末端に各SNPに相当する配列をもち長さの異なる2種類のタイピング用プライマーと1種類のコモンプライマーとの3種類のプライマーで通常のPCRを行なう。プライマーの3'末端が各SNPタイプに対応していると,そのSNPをコードするDNAの増幅が進行し,長さの異なる増幅産物が合成されていく。この増幅産物を通常のアガーロスゲルで電気泳動を行ない,エチヂウムブロマイド(EtBR)で染色してDNAバンドを検出しSNPを肉眼でタイピングする。実際には1回の反応で4ヶ所のSNPを同時に検出するために,4セット,合計12本のプライマーを用いてPCR(multiplex PCR)を行い,電気泳動を行なった。 DNA direct sequencing法とAS-PCRによりサルコイドーシスと健常人とのSNPの頻度を比較したところ,A-908Gにおいて有意にA, G38Aにおいて有意にGの頻度が高かった。 以上の結果からP1構造遺伝子のSNPはサルコイドーシスの診断に有用と考えられる。
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