研究課題/領域番号 |
13672418
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
一山 智 京都大学, 医学研究科, 教授 (30223118)
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研究分担者 |
千田 一嘉 京都大学, 医学研究科, 助手 (90324649)
工藤 豊一郎 京都大学, 医学研究科, 助手 (80324622)
飯沼 由嗣 京都大学, 医学研究科, 講師 (90303627)
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80283430)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2002
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キーワード | 病院感染 / 感染対策ガイドライン / 米国疾病管理センター(CDC) / 病院感染サーベイランス / 感染症専門医 / 感染対策ドクター(ICD) / インターベンション活動 / 院内感染対策チーム |
研究概要 |
平成13年11月の第3回国立大学医学部附属病院感染対策協議会(以下感染対策協議会)において"病院感染対策ガイドライン"が策定された。本ガイドラインは、主として米国疾病管理センター(CDC)のガイドラインを基に、日本の医療現場の現状にあった形で修正したものであり、標準予防策、感染経路別予防策、病原体別ガイドライン(結核、麻疹、レジオネラ、等)、病態別感染防止ガイドライン(尿路感染、人工呼吸器関連肺炎、手術部位感染)、病院環境整備、その他(血管留置カテーテル管理、針刺し事故対策、等)の各項目について策定された。その後見直し作業を継続して行い、平成14年12月開催の感染対策協議会にて、最新の論文を調査したうえで、引用論文と推奨のランク付けをすべてのガイドラインに対して行う修正をおこない、また食中毒ガイドラインの追加も行った。 京都大学医学部附属病院では、感染症専門医でもある感染対策ドクター(ICD)が本ガイドラインに基づいた感染対策を行い、また感染症への診断と治療への介入を行いつつ病院感染サーベイランスを実施している。平成14年の統計では、血液培養陽性などの微生物検査からの介入が500件、医師や看護師からのコンサルテーションが98件、抗生物質不適切使用が28件など合計636件となっている。感染症の診断及び治療に関する指導介入(インターベンション活動)はそれぞれ62、69%の事例について実施され、診断では56%、治療では51%の事例で方針が変更された。また、感染対策については、14%の事例で指導介入が行われたが、その85%において方針が変更された。これらのことより、多くの臨床医が感染症及び感染対策に十分な知識を有していないことが判明し、ガイドラインの有効性を高めるためには、感染対策チーム内に感染症の診断治療について介入できる感染症専門医の存在が必須であると考えられた。また、感染症専門医を中心とした前向き研究により、わが国独自の感染症に関するデータやエビデンスを蓄積し、その結果ガイドラインをよりわが国の医療の実情にあったものに修正することができるものと考えられる。
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