研究概要 |
関節リウマチ(RA)の主病変である関節滑膜組織中のA型(マクロファージ様)細胞の機能について検討し、アルカリフォスファターゼ(ALP)、エンドセリン(ET)の分泌と動態を検討した。さらに、種々のサイトカインなどについてスクリーニング測定を行った。 本年度の研究でヒト関節滑膜A型細胞によるIL-6、MMP-2、組織因子(TF)の分泌を見出した。しかし、他のIL-1,2,3,4,8,10および12、MMP-1と9、TIMP-1と2、ICAM-1、ELAM-1、VCAM-1、IL-2R、IFN-α,β,γ、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼの分泌は明らかでない。種々のサイトカイン(TNFα、など)による刺激実験を行い、ET-1とALP分泌の細胞株間に差があることを見出したが、その原因は不明である。TF産生株,N-ALでは、その後TF分泌が停止した。その原因を解析したが、不明であった。また、TFPIについては3株中1株での産生を認めた。組織因子についての抽出法、および測定法についての基礎検討も併せ行った。培養液についてのET-1測定で、抽出処理の有無について対比検討し、抽出処理を行わなくても測定可能であることが判明した。また、用いたET-1ELISAの測定精度は問題ないことを確認した。
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