研究概要 |
Cyclin kinase inhibitor p21のubiquitin化におけるp21分子上の制御領域の解析を継続して行った。p21は164アミノ酸残基から構成され、CDK2の基質となる98SPと130SP、および、Protein kinase Cの基質となる153SKRと160SKRが存在する。一般にubiquitinationは基質のリン酸化に制御されるので、C-terminalから順次それぞれのリン酸化siteを除去した1-128aa,1-147aa,1-157aaのHis-tag C-terminal truncated fragmentおよびHis-tag full length p12を真核細胞に発現させ、ubiquitinationの有無を検討した。すべてのdeletion mutantにおいて、Ni精製後のcell lysate中のWetern blot解析の結果、当該分子量の位置に、C-terminal truncated fragmentのbandを検出した。このなかで、full lenghおよび1-157aaの発現では、anti-p21 antibodyとanti-ubiquitin antibodyで検出される高分子量バンド、すなわち、ubiquitinated p21が検出された。この結果は、p21のubiquitinationには、C-terminalの153SKRを含む148-157aa領域がessentialであることを示す。さらにこの領域がubiquitin化される部位なのか、あるいは制御領域なのかを確認する目的で、156番目のLysをArgに変異させたmutant K156Rを作成し、ubiquitinationの有無が検討したところ、full lengthと同様にubiquitin化した。このことから、p21の148-157aa領域がubiquitin化の制御領域であると結論した。現在制御機構の解析を行なっている。
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