研究概要 |
本申請ではアセテートキナーゼ(AK)とピルベートフォスフェートジキナーゼ(PPDK)が同一反応条件下で異なった基質からATPを生成する性質を利用した両酵素の高感度同時生物発光測定法の検討を行った.本法によるAK活性の測定は共存するPPDKの影響はみられず最小検出感度1.03x10^<-20>mol/assayであり単独測定と同等の感度が得られた.また,その同時再現性は4.1〜5.2%(CV%, n=8)であった.一方PPDK活性の測定において,ADP-HK及びグルコースの添加により測定中の過剰なAKの基質であるADPを消去し,PPDK測定時のAKによる影響を排除できた.本法によるPPDK活性の最小検出感度は2.05x10^<-20>mol/assay (blank+3SD)であり単独測定と同等の感度が得られた.また,その同時再現性は1.6〜5.7%(CV%, n=8)と良好であった.昨年度はC-peptideとInsulinをモデル化合物とし,2成分同時BL-EIAを行った.本法により得られた測定値は日常分析法と良好な相関が見られた. 今年度は血圧調節関連ペプタイドである,アンギオテンシンIとエンドセリン-1の同時測定法を試みた.アンギオテンシンI,エンドセリン-1の検量域は各々7.81〜1000pg/mL,15.63〜1000pg/mLであり,日内,日間再現性は両測定対象物ともそれぞれ11%,15%以内であった.本法を用い,高血圧自然発症ラット(SHR),脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)およびそのコントロールラット(WKY)の血中レベルを測定した.SHRSPの血中アンギオテンシンIレベルはWKYに比較して高値を示した.しかし,SHRのそれはWKYに比較して有意の差は認められなかった.また,エンドセリン1のレベルはいずれのラットでも測定検出限界以下であった.
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