研究課題/領域番号 |
13672464
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
古謝 安子 琉球大学, 医学部, 講師 (30305198)
|
研究分担者 |
長濱 直樹 琉球大学, 医学部, 助手 (00274910)
小笹 美子 琉球大学, 医学部, 講師 (10295313)
宇座 美代子 琉球大学, 医学部, 教授 (00253956)
|
キーワード | 小離島 / 高齢者介護 / 親族ネットワーク / 聞き取り調査 / 終末期ケア / 葬法 |
研究概要 |
1、離島の高齢者介護をめぐる親族ネットワーク機能を明らかにするため、今年度は小離島座間味村の高齢者介護及び葬法に関する調査結果の分析を行った。 要介護高齢者及び介護者の聞き取り調査の分析から、介護をめぐる親族ネットワーク機能は、(1)親族・近隣支援型、(2)子供Uターン支援型、(3)直系三世代支援型、(4)本人積極社交型、(5)親族没交流孤立型、(6)ヘルパー依存型、(7)親移動親族支援型、(8)施設入所型の8つに分類できた。それらは、高齢期に至る以前からの地域親族との人間関係や、介護で子供がUターンできる地場産業の発展、高齢者自身の地城との積極的な関わり等が重要な要因となっていた。 また在宅介護が女性の家事労働の一部として性別役割分業意識が強くあり、老々介護や長期介護により主介護者の健康障害がみられた。さらに介護によって親族関係が捻れるなどネットワークの逆機能を示す場合も多く、高齢期に至る以前までの発達課題的な親族関係のプロセスが重要な意味を持っていた。 火葬場のない座間味村の過去10年間の死亡・葬法の状況から、村内で死亡すると必ず埋葬し、数年後洗骨する伝統的儀礼が行われていた。このような状況の中で、住民の葬法に対する意識は洗骨経験の有無と関連し、洗骨経験がある者は9割が火葬を支持し、また住民の9割は、自分の死後火葬を望む意識をもっていた。さらに4病院で実施した対象5離島の高齢入院患者調査では、90歳以上高齢者の入院率は座間味村が最も高くなっていた。これらは高齢者の終末期ケアにおいて、要介護高齢者の終末期以前の村外移動→入院→施設入所→村外死亡→火葬という、埋難や洗骨から逃れるための一連のパターンとして表れていると考えられる。 2、座問味村に加え、近隣の3小離島において高齢者介護の聞き取り調査を行った。調査結果の分析は次年度実施予定である。
|