EBNの促進を図るためのオンラインデータベースを作成するために、大学院を備えた看護系大学から生み出される大学院生ならびに教職員の日本語論文というリソースがどの程度公開する体制ができているかなどを調査した。 多くの研究科から公開しているという回答を得たが、オンラインによるものは僅かであった。博士論文は、既にNACSIS-IRのシステムにより、論文題名と著者名をオンラインで得ることが可能であるが、論文全文は参照できない。アメリカでは、類似のWeb技術を利用して、博士・修士論文の全文を公開する商用システムが既に存在し、看護系大学図書館でよく利用されている。このことから、システム構築に対する技術的な障害はあまり無いことがわかった。また、調査の結果、かなりの大学が修士論文の題名や著者名を紀要に公表しており、これらを集めてオンラインデータベースが構築できる可能性があることがわかった。 一方、論文のオンラインデータベースに対する需要を調査した結果では、半分以上の研究者が修士論文の題名、著者名などの基本的な項目だけでも知りたいと思っていることもわかった。 以上の結果より、今回われわれは、オンラインデータベースとして、大学紀要に公開された看護系修士・博士論文と、一部の大学がオンラインで公開している博士論文から、945件の論文題名、著者名を抽出し、これを基礎データとして、それらの文字列に対して、キーワード検索により論文を選択するWEbページを作成し、http://ed2.nurs.iwate-pu.ac.jpにおいて公開した。
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