交替制勤務を行う看護職を対象に、誘導イメージ法実施群とコントロール群に分け、誘導イメージ法実施群に初回は誘導イメージ法を肉声で1回実施し、その後、同じ内容の誘導イメージ法のオーディオテープもしくはMDによる自由時間での実施を10回程度実施してもらった。コントロール群には何の介入も実施しなかった。誘導イメージ法初回の肉声での実施に際して、対象者に前後に心理的変化を測定する質問紙に記入してもらい、実施中、生理的変化を測定する心拍数、指尖皮膚血流量を測定した。その後の自由時間による実施の期間中、睡眠に関する記録などを記入してもらった。誘導イメージ法実施群とコントロール群全員に、研究期間の最初と最後に、睡眠障害に関すること、一般的健康状態、疲労状態、感情状態に関する質問紙調査を実施した。 心理的データ・生理的データの結果は、現在解析中であるが、誘導イメージ法実施群の中には、「睡眠障害が顕著に改善した」、「寝付きがよくなった」「目覚めがすっきりするようになった」との自覚的変化を感想として述べる看護職がおり、睡眠障害に対する看護介入としての誘導イメージ法の有効性が示唆されるのではないかと期待できる。 次年度は、この結果を論文にするとともに、看護介入としての誘導イメージ法の方法論を確立したいと考える。 本年度は雑誌等への発表は行っていないが、看護職を対象に、誘導イメージ法に関する講演を行い、実際に看護職に誘導イメージ法を体験してもらう活動を実施しており、次年度に向けての貴重なデータの積み重ねとなっている。
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