研究課題/領域番号 |
13672469
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
松山 洋子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授 (50239133)
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研究分担者 |
菱田 一恵(三浦 一恵) 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助手 (00326117)
森 仁実 岐阜県立看護大学, 看護学部, 講師 (40326111)
杉野 緑 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教授 (70326106)
普照 早苗 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助手 (80336635)
大井 靖子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助手 (60326121)
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キーワード | 介護保険 / 人権尊重 / 在宅サービス / サービスの選択 |
研究概要 |
平成12年に介護保険法が施行された。これは従来の杜会保障制度の基礎構造改革に一環として行われたもので、措置から契約への転換を図った点、介護サービスに市場原理が導入された点など画期的な制度である。しかし、サービス提供システムや、住民への制度の周知など準備が十分なされないままの実施であったため、利用者はサービス利用を自己決定し、サービスを選択して利用するには至っていないと推測される。また市場原理が導入されたことにより、必ずしも利用者に好ましいサービスが提供されているとは言いがたい現状が推測される。そこで、在宅サービス利用者に焦点を当てて、利用者が介護保険によるサービスを選択して、その人らしい生活を営むことが出来ているのかを事例研究することとした。羽島市内に在住する37名の在宅サービス利用者の家庭を訪問し、療養状況を実際に見ると共に、半構成的質問紙による面接調査を行った。現在分析中であるが、多くの人は自分でサービスを自分で選択せず、市からの紹介によって利用していた。生活は多くの人が介護保険制度を利用することによって、生活が成り立つと喜んでいたが、利用料負担を軽減するため、虐待にも似た現状があることが明らかにされた。 今後の介護保険下におけるサービス選択と人権尊重のあり方の検討に示唆を得るため、介護保険先進国であるオランダの在宅ケア事情を視察すべく、アムステルダム市・ホールン市を訪問した。アムステルダム市ではアムステルダムホームケア協会、在宅ケア従事者養成校、老人ホーム「デ・クリンケル」を訪問し、担当者からヒヤリングを行った。さらに利用者団体代表者から組織の活動内容を伺う、得がたい機会をもった。ホールン市では市役所、介護サービス窓口、判定組織、サービス提供組織デ・オムリング、ナーシングホーム「デ・ホーフホフ」を訪問、ヒヤリングを行った。その結果以下のことを学んだ。1.介護サービス申請、サービスの内容と量の決定、実際のケアにおいて何よりも利用者の希望が優先されていること。2.ケアにおいて利用者の生活の継続性が尊重されおり、可能な限り自宅での生活が保障されていること3.利用者の発言権・不服申し立てが明確にされており、意見を表明するための具体的な手続きが整えられていること4.サービスの選択・判定、サービスの内容、利用者負担が利用者の生活実態に即していることである。これらの背景には平等の原則、所得保障と住宅保障の充実があることがわかった。 (尚現在視察内容を「オランダの在宅ケアと利用者のサービス選択の現状」として、月刊誌・インターナショナルナーシングレビューに発表準備中である。)
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