研究課題/領域番号 |
13672478
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
近森 栄子 神戸市看護大学, 看護学部・保健看護学講座, 助教授 (80280105)
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研究分担者 |
鵜川 晃 神戸市看護大学, 看護学部・保健看護学講座, 助手 (70326320)
植本 雅治 神戸市看護大学, 看護学部・保健看護学講座, 教授 (90176644)
中島 美繪子 神戸市看護大学, 看護学部・保健看護学講座, 教授 (60285351)
鈴木 学実 神戸市看護大学, 看護学部・保健看護学講座, 助手 (60316057)
川口 貞親 神戸市看護大学, 看護学部・保健看護学講座, 助手 (00295776)
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キーワード | 阪神淡路大震災 / 被災高齢者 / ソーシャルサポート / 精神的健康 |
研究概要 |
平成7年に起きた阪神淡路大震災後の高齢者について、精神的健康の長期的予後、ソーシャルサポートネットワークと社会的変動への適応状況、経済状況などの関連を明らかにすることを目的に面接調査を実施した。生活援助員(以下LSA)の常駐するシルバーハウジングに居住する高齢者を対象とした。「財団法人こうべ市民福祉振興協会」をとおして45名のLSAに調査協力を依頼した。「高齢者の負担」あるいは「対象となる高齢者に痴呆症が多く対象の選定が困難」として7名のLSAから断りがあった。計38名のLSAの協力を得て、事前に高齢者に調査目的、方法を説明し承諾を得、看護師18名が面接調査を実施した。調査当日の不在、日程の調整不能があり、190名に依頼し最終的に152名から回答を得た。1.世帯類型:一人あるいは配偶者と二人暮らしが95%であった。2.避難所・仮設生活経験:52%の者が避難所で生活していた。仮設住宅入居経験者は72%であった。3.外出:毎日する者が48%であった。1週間に1回、ほとんど外出しない者が17%であった。4.保有疾病数:複数の疾病を保有する者が半数以上をしめ、最高6疾患を保有していた。5.入院経験:この1年に入院した経験を持つ者が24.3%であった。6.ソーシャルサポート:情緒的・手段的・経済的サポートについて公的・私的サポートの有無を尋ねた。情緒的サポートは公的・私的ともに肯定回答が多かった。病気時の世話など手段的サポートでは親族が多かった。7.精神的健康:日本版GHQ28の得点は、M:6.54, SD:5.09であった。6/7点間にカットオフポイントをとると、41.4%の者が有症状者であった。要素スケール別にみると、身体症状で中等度以上の症状を持つ者が多く、26.2%であった。不安と不眠では15.8%、社会的活動障害は12.3%、うつ傾向は16.8%が中等度以上の症状を有していた。今後さらに分析を進め、調査項目間の関連、GHQに有意に影響を与えている因子を明らかにすること、高齢者の性格や活動の好みによって社会的活動にどのような差があるのかを検討し、今後の支援を考察していく。
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