1.フィールド手続きと介入を実施する看護職のトレーニングの実施 平成13年6月〜7月にかけて、合計20時間のトレーニングを実施した。参加者は、臨床経験3年以上の訪問看護婦を中心に合計15名が受講した。トレーニングの内容は、嚥下困難、.移動動作の障害、高次脳機能障害を中心に、講義と実習を行い、調査者のレベルの統一化を図った。 2.重心測定用具の開発 在宅療養者の「起居・移動動作」の介入の効果を測定するためには、療養者の姿勢の変化を量的に測定することが必要であった。そのため、システム工学の研究者と共同で、重心の移動を数値として記録できる簡便な測定用具を開発した。平成13年9月〜12月にかけて、健常者による測定用具の信頼性・妥当性の検証を実施した。結果として、健常者に左半身麻痺患者を模倣した拘束具を着用した場合と何も着用しない場合とで、「ベットから起きる」「ベット上座位を保つ」「車椅子への移乗」という3つの動作で測定し、その姿勢の変化を3つのジャイロセンサを用いることにより局所座標系における3軸周りの回転角速度として計測し、介入の効果の定量的測定の可能性が確認された。 3.パイロット・ケース・スタディの実施 神奈川県I基幹病院にて、パイロット・ケース・スタディを実施し、プロトコルの修正及び最終チェックを行った。特に、次年度の介入研究の重要な測定用具として用いる姿勢変化を分析する重心測定用具の試験的な測定を中心に行った。被験者として、健常者に続き、平成14年1月〜3月にかけて、脳血管障害者を対象に測定して、信頼性・妥当性を検証した。
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