研究概要 |
1.文献レビュー 本研究の枠組みを創るための文献レビューを行っている。主な検索文献は,フェミニズム,軍国主義,戦争と女性,看護婦の歴史,広島の歴史,戦争と看護婦,原爆に関連するものである。今後,収集した文献を何回も読み直し,概念枠組みの洗練をはかる予定である。 2.研究方法論・分析 日本の看護の歴史研究においては,公文書を中心とした実証主義の研究が主であり,オーラルヒストリー法を用いた研究は行われていない。一方,西洋圏の歴史研究においては、実証主義の研究だけでなく、構築主義であるオーラルヒストリーの研究も盛んに行われている。そこで,2002年2月の末に渡豪し,フリンダース大学のDr Trudy Rudge氏と研究手法を討議し,研究の分析法に対する示唆を得た。 3.データ収集 1945年8月6日より1945年12月末までの期間に,広島の被爆者を看護した体験を持つ看護婦を、日本赤十字岡山県支部,同鳥取県支部,同山口県支部,大阪被爆者の会,浜田被爆者の会(島根),広島赤十字原爆病院の関係者および研究者の縁故者に紹介を依頼した。結果18名の研究対象者をご紹介いただき、第1回目の面接調査を行った。対象者の半数以上が,県外に在住していたため、研究対象者宅まで出向き面接を行ない,面接にかなりの時間を要した。対象者の承諾を得てテープ録音し,現在これらの面接録音を文字に起こす作業を行っている。今後,分析を開始する。来年度は、データ分析,論文の作成を行う予定である。
|