研究課題/領域番号 |
13672511
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
寺崎 明美 長崎大学, 医学部, 教授 (50163910)
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研究分担者 |
間瀬 由紀 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60256451)
鷹居 樹八子 長崎大学, 医学部, 講師 (40325676)
辻 慶子 長崎大学, 医学部, 講師 (60336188)
関根 剛 大分県立看護科学大学, 講師 (90290452)
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キーワード | 喉頭全摘術 / セルフヘルプ・グループ / 自助グループ / 食道発声 / コーピング |
研究概要 |
研究計画書に沿い13年度は、喉頭全摘出者のセルフヘルプ・グループの銀鈴会において、自記式質問紙を用いた郵送調査を行った。 1.調査対象:日本喉頭摘出者団体連合会加盟の発声教室会員710名のうち有効回答が得られた261名(回収率36.8%)。 2.調査内容:関連研究とプレテストから、基本情報、5段階評定によるグループからの支援内容29項目を独自に作成した。 3.分析方法:SPSSを使用、支援内容は因子分析を行い、訓練による発声クラス分けとの関連を分析した。有意差検定は分散分析を用いた。倫理的配慮は、主旨を説明し承諾書を得た。 4.結果:平均年齢66.7歳。発声クラスは、初心14.2%、初級9.2%、中級8.4%、上級31%、電気喉頭使用13.8%、声優クラブ23.4%で構成されていた。支援内容は、積極性の獲得7項目、具体的能力獲得5項目、情緒的支援7項目の3因子(累積寄与率63%)が抽出された。発声クラスと支援内容は、支援内容3因子ごとに項目得点を合計し、発声クラスとの平均値と比較した。初心が、〔積極性〕16.6〔能力〕14.8.〔情緒的〕18.7と最も低かった。初級で〔積極性〕20.9〔能力〕19〔情緒的〕22.8で上昇幅も高かった。中級、上級では、さらに得点が高く、声優クラブでは、〔積極性〕27.6〔能力〕23.3〔情緒的〕27.1と最も高くなった。また、3因子ともクラス間で有意差が認められた(<0.01)。 5.考察:初心クラスでは発声が出来ないため、具体的能力の獲得が低いのは当然と考えるが、情緒的支援もほとんど実感されていなかった。クラスが上がる毎に全体的に得点は上昇しており、会話の上達が支援内容の受け止め方を左右する要因といえる。声優クラブでは、積極性の獲得が他の2因子よりも得点が高く、クラスへの参加頻度も高いことから、食道発声を教えるという援助者の役割獲得がその要因のひとつに挙げられる。
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