14年度はデータ収集を中心に活動した。 (1)フィールド開拓と研究参加者の絞りこみを実施 14年4月〜6月 対象は、精神障害者の就労支援施設である福祉工場で働く障害者と、都内クリニックのデイケアおよびナイトケアに通所する障害者で、あらかじめそれぞれの所属長に承諾を得た後に研究の主旨と倫理的配慮について文書を作成し、説明した。また研究に同意が得られた場合には、研究承諾書にサインをいただいた。最終的に福祉工場で働く障害者6名とデイケア・ナイトケアに通所する障害者6名の計12名が研究参加者となった。 (2)パイロット・スタディの実施 14年度7〜8月 福祉工場で働く障害者の協力を得て、パイロット・スタディが行なわれた。その結果について研究社間で協議を行った。得られたデータ分析の結果、研究目的と質問内容にずれが生じていないか吟味し質問の仕方に工夫すべき点を考慮して、データの内容妥当性の確保に努めた。 (3)本調査の実施 14年9月〜12月 対象者が、発病・入退院したのち、3年以上の年月を過ごしてきた生活体験について振返っていただき、どのような社会参加の像を心に描いて、ライフスタイルを築いてきたのか、またそのスタイルを築き自信を育む上で、影響した要因について個別に面接調査を実施した。面接時間は一人あたり30分〜2時間におよんだ。 (4)データ分析 15年1月〜 インタビュー内容を逐語録にしたのち、分析に着手した。 精神障害者の社会参加とそれに対する自信の育み方について、精神障害者自身の「語り」や生活の様子からその構造とプロセスおよび影響要因を抽出することとし、主要概念の関連性についての分析を急いでいる。 (5)論文投稿 なお13年度の文献検討の結果から総説を完成させ、掲載予定である。
|