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2004 年度 実績報告書

日米の小児がん医療における子どもへのインフォームド・コンセントに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13672519
研究機関東京都立保健科学大学

研究代表者

戈木クレイグヒル 滋子  東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (10161845)

研究分担者 中川 薫  東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助教授 (00305426)
キーワード小児がん医療 / 子どもへのインフォームド・コンセント / 日米比較
研究概要

これまで4年間にわたって,日米の小児医療(おもに小児がん)の現場における子どもへのインフォームド・コンセントの実態と課題を検討してきた.具体的には,1)医師が子どもとその家族に医療面談する場での参加観察と,そこで録音したデータの検討,2)子どもに対して異なるスタイルのインフォームド・コンセントをおこなっている2つの病院でのフィールドワーク,3)医師,看護師,チャイルドライフ・スペシャリストへの聞き取り調査をおこなってきた.
データの分析はまだ途中であるが,現在のところ以下のような結果が得られている.子どもへのインフォームド・コンセントの質と量は,医師の考えに基づく提案と両親の選択というやりとりの中で決定される.ここで両親は,医師の治療技術,患者側への配慮ゲートの叩き方をどう感じるかという3つの指標によって,医師が勧めるインフォームド・コンセントにしたがうかどうかを選択していた.医師の治療技術への評価が高いと「子どもを治してくれる」という信頼感が,患者側への配慮に関する評価が高いか,ゲートの叩き方が強いと感じる時には「なにかあったらサポートしてくれる」という期待が高まり,医師の考えに従うという選択が行われた.
一方で,インフォームド・コンセントが十分におこなわれ,病名を含む病気や治療に関する知識をえることは,子どもたちに大きな変化をもたらすように思われた.子どもたちは,病気に対して積極性を持ち,小刻みの目標を立てて1つひとつの目標を積極的に乗り越えようとしていた。また,闘病を意味のある体験として位置づけようとしていた.このような中で,子どもたちには,大切なものがわかる,以前よりがんばれるようになる,思いやりが強まるという変化がおこっていた.
以上のような結果をふまえて,今後子どもへのインフォームド・コンセントの望ましいあり方を検討したいと考えている.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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