双生児を育てている家族は増加しており、双生児はじめ多胎児の育児支援は少子化時代の課題にもあげられている。今後、多胎児を産み育てる家族支援を実施するにあたり、看護実践の根拠ある方向性を導き出すために本研究においては、そこで双子を産み育てる母親と家族への妊娠中からの保健指導の有効性を検討した。研究内容は、介入研究とし妊娠中からの保健指導を受けた母親と受けていない母親の健康状態を測定することにより、保健指導の有効性を検討した。研究方法と効果の測定については、助産婦による妊娠中から集団指導および個別指導をとりいれた、出産後4ヶ月までの看護介入プログラムを実施し、介入を受けていない双子の母親と心身の健康状態をGHQにより、また家族機能を家族エコロジカルモデルを背景としたFFFS家族機能調査によって比較した。結果は介入群の母親の精神健康度は、「GHQ合計得点」および4つの下位領域である「身体的症状」「不眠と不安」「社会的活動障害」「うつ傾向」のすべての領域で有意に低値であり、健康状態は良好であった。家族機能についても介入群は対照群に比べて良好であった。家族機能についても妊娠中(介入前)は介入群もコントロール群も差は認められなかったが、介入後の産後2〜3か月では、有意差はないものの、全般的に介入群の方が、家族機能はよい傾向があった。双子を産み育てる母親と家族にとって、妊娠期からの家族を視点とした看護介入は、出産後の母親の健康にとってよい結果をもたらすことが示唆された。今後は双子の母親と家族に対しては、看護職による系統だった指導と支援が必要であると考えられた。
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