研究課題/領域番号 |
13672523
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
田中 克子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 助教授 (20236574)
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研究分担者 |
川村 智行 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60271186)
末原 紀美代 大阪府立看護大学, 看護学部, 教授 (90112044)
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キーワード | 性教育 / 糖尿病患者 / セルフケア / 計画妊娠 / リプロダクティブヘルス |
研究概要 |
計画妊娠を推進されている1型糖尿病患者にセルフケア教育の一環として性教育を行うことは非常に重要であり意義があると考えた。現在、患者・保護者を対象に性教育の方法、内容についてプログラムの開発を行うための試作として「性教育セミナー」を開催している。その結果について以下報告する。 【対象・方法】対象は性教育セミナー<プログラム:1 糖尿病と妊娠(小児糖尿病専門医)とデスカッション60分、2 1型糖尿病女性患者の体験談講演とデスカッション60分>に参加し、研究の趣旨に同意した1型糖尿病患者(女性16名:年令10〜21歳 平均14.8±3.12、男性4名:年令14〜16歳 平均15.0±0.8)、1型糖尿病患者の保護者(母親11名:年令37〜56 平均45.8±5.2 父親:3名 年令45〜49歳 平均47.3±1.7)の計34名。方法は対象者に無記名で自記式質問紙調査(5段階評価)をセミナー前後で行った。質問項目は避妊、妊娠など全13項目。 【結果・考察】計画妊娠の理解については女性が「知っている」というセミナー後の回答の割合が増えていることから、セミナーの教育効果が現れているといえる。さらに、医療機関や相手と避妊・妊娠について事前の相談を「する」という回答の割合も増えていることから、計画妊娠の理解が事前に医療機関や相手への相談等の行動にも影響を与えているといえる。 糖尿病をもっていることが妊娠・出産・育児を困難にしているかどうかについて「思わない」というセミナー後の回答の割合が増えていることから、1型糖尿病患者の発病・結婚・妊娠・育児から現在までの体験談を聞いたことも要因の一つとして考えられる。したがって、このような体験談を聞くことも患者や保護者にとってセルフケア行動やQOLを向上させる動機付けとしては非常によい効果があると思われた。 以上のことから、今まで行ったセミナーでの教育プログラムを参考に、教材としてビデオの試作を作った。われわれが作成した教育ビデオの効果についてリプロダクティブヘルスの視点からも、今後検討が必要である。
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