研究課題/領域番号 |
13672526
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研究機関 | 大阪府立看護大学 |
研究代表者 |
大平 光子 大阪府立看護大学, 看護学部, 講師 (90249607)
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研究分担者 |
澤井 早苗 三重県立看護大学, 看護学部, 助手 (80280006)
町浦 美智子 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (70135739)
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キーワード | 子ども虐待 / 予防 / 母性看護学 / アセスメント / 臨床判断 / 周産期 / 看護救助方法 |
研究概要 |
平成13年度は、虐待者と非虐待者の母親になるプロセスの類似点・相違点に関する質的な分析及び虐待事例のケーススタディを通して、看護援助の必要性を判断するための視点を明確にすることを目的として研究に取り組んだ。しかしながら、事例のケーススタディではretrospectiveに検討を加えるため、看護援助の必要性を判断した時点のアセスメント内容や判断のプロセスが明確にならないことが危惧された。そこで、看護援助の必要性を判断するプロセスを把握することを目的として、日常的に周産期から母親や母親を取り巻く家族と密接に関り、産褥期に渡ってフォローアップしている病院の看護師、保健師、NICUに勤務する看護師の協力を得て、子ども虐待予防の視点についてインタビューを行った。その結果、以下のことが明確になった。(1)虐待予防の視点で観察項目について観察、アセスメントする段階に至る以前に、<何らかの気がかり>が生じている。(2)<気がかり>の原因を探索する。(3)<気がかり>には、経済的不安、子どもに対する過干渉、過度の叱責、放任、夫や家族の非協力、夫の過剰な監視(妊婦健康診査への同伴や立会い分娩を含む)、内診時の過度の緊張、面接時の視線や声のトーンなどが含まれる。(4)<気がかり>を糸口として関連事項の情報収集、アセスメントが連続的に繰り返される。その結果、<気がかり>が虐待に関連する事項である場合には看護援助の必要性、フォローアップの必要性を判断している。 今年度の成果から、虐待予防の視点から看護援助の必要性を判断するためには、事例のケーススタディ及び母親になるプロセスの類似点・相違点の分析よりも、むしろ看護職者の臨床判断のプロセス及び構造を明確にする必要性が示唆されたと考える。したがって、平成14年度は看護職者の臨床判断のプロセス及び構造を明確化できるように、研究計画に修正を加えたいと考えている。
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