生活習慣に関連した健康障害をもつ思春期の子どもの生活習慣に関する認識・行動、自己効力感、ソーシャルサポート、親の生活習慣に関する認識・行動と子どもの健康状態との関係を明らかにすること、また、ヘルスプロモーションのためのセルフケア技術を高める看護介入を行い、その有効性を検討することを目的に研究を行った。対象者は10歳〜18歳の子どもとその親7組で、病名は肥満5名、糖尿病1名、高脂血症1名であった。看護介入前の調査結果としては、一般の同年齢の子どもに比べ、自己効力感の得点は低く、ソーシャルサポートの得点は高い傾向が見られた。子どもの健康生活の自己管理に対する認識では、7名中6名が今の調子で生活を管理していたら何らかの健康障害を起こすかも知れないと思っていたが、やせたいなど健康管理上の目標を持っていたのは3名のみであった。子どもも親も肥満を健康障害と捉えていなく、親は生活習慣に問題があると思っていたが、子どもの生活習慣の改善は難しいと思っていた。また、介入前の子どもの行動変容の段階は、熟考前が3名、熟考が1名、実行が1名、維持が2名であった。 4時点のデータが得られた5名の子どもの介入後の変化としては、3名に3カ月後に自己効力感の得点の増加、病状の改善が見られた。また、介入1年後には4名の子どもに自己効力感の得点の増加が見られ、そのうちの3名に病状の改善が見られた。この3名は、いずれも介入前に行動変容の段階が「熟考」以上であり、健康管理上の自分の目標を持っていた。そのため、ヘルスプロモーションモデルを用いた看護介入は行動変容の「熟考」以上の段階にいる子どもへの看護介入としては有効であると考えられる。しかし、看護介入3カ月後に病状が改善した子どもでも、6カ月後、1年後と徐々に病状が悪化していく傾向が見られた。そのため、継続的に看護介入を行うことが必要であると考えられる。
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