本研究では、慢性の経過をたどる子どものヘルスプロモーションについて明らかにすることを目的としている。研究目標として、(1)慢性の経過をたどる子どもは、ヘルスプロモーションをどのように捉え、どのようはヘルスプロモーション行動を行なっているのかを明らかにする、(2)慢性の経過をたどる子どもの親が、子どものヘルスプロモーションをどのように捉え、子どものヘルスプロモーションを支援するためにどのように関わっているのかを明らかにする、(3)慢性の経過をたどる子どものヘルスプロモーションに関する看護者の役割、看護アプローチを提案することの3点を挙げている。平成13年度は、子どもの親を対象とした調査を行った。その経過の中で、保健婦さんたちが捉えた地域で過ごしている慢性の経過をたどる子どものヘルスプロモーションや親がどのような支援を行っているかについての面接も実施することができた。どちらの調査も現在分析中であるが、年少児の親や発症して間もない状態の子どもの親は、子どものヘルスプロモーションについては自分達がまず実施するものであるという意識が高いと思われる。保健婦さんたちからは、地域で生活している慢性の経過をたどる子どもや家族に関わる必要性があるのではないかと問題意識は持っているが、具体的にどのようにアプローチをしていったらいいのか、特に学童期の子どもの場合は検診なども学校が実施するため、関わるきっかけが少なく、困難に感じている。分析を進めて、臨床の場だけではない、看護専門職者がそれぞれの立場を活用しながら、子どものヘルスプロモーションに関わる方法を模索する必要がある。
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