研究課題/領域番号 |
13672534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
野川 道子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (00265092)
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研究分担者 |
西村 歌織 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (20337041)
唐津 ふさ 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (20285539)
三宅 浩次 北海道産業保健推進センター, 所長 (20045363)
海岸 美子 北祐会神経内科病院, 看護師 (40316253)
佐々木 栄子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (50364261)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 変性性神経疾患 / ALS / パーキンソン病 / 生活上の困難 / 対処 |
研究概要 |
変性性神経疾患患者の生活上の困難と対処を明らかにする目的で、ALS患者に対する質的調査並びにALSとPD患者に対する量的調査を実施した。質的調査については、在宅のALS患者10名に対して半構成的インタビューを実施した。その結果、ALS患者は【異変の気づきから正体のつきとめ】【病名と予後の覚知】【仕事や役割への影響】【身辺自立の限界】という困難な出来事に直面し、『絶望と混乱』『主導権の喪失』『生きがいの喪失』『エネルギーの喪失』という受けとめをしながらも、一方では《病気を食い止める努力》《病気と共存する準備》《生き方の選択》《介護者への配慮》など尊厳を保って生きる様々な努力をしていることが明らかになった。 量的調査は質的調査で得られた結果に基づき、『受けとめ』と《対処》に関する質問紙を作成し調査した。加えて、病気に関連する不確かさの認知の程度や主観的QOLについても調査した。有効回答はALS患者91名、PD患者152名より得られた。対象者の障害の程度は車椅子またはベッド上生活がALSでは56.0%、PDで15.4%であった。受けとめではALS患者、PD患者ともに『身体の動きをコントロ-ルできない』『この病気になった人でなければ自分の気持ちはわからない』が上位を占め、孤独感を抱いていることがうかがえた。対処ではALS患者では《自分に出来ないことは人に頼む》《介護者が身体を休めるよう気遣う》《病気のことは担当医と十分相談する》が、PD患者では《自分にできることは自分でする》、《病気とうまく付き合っていく》《体を動かすよう心がけている》が上位を占め違いがみられたが、疾患により障害の程度による差があったことが影響していると思われた。しかし、主観的QOLを決定づける要因としては両疾患とも重回帰分析により「情動焦点型コーピング」と「家族以外の人の交流」が選択された。つまり、ALSとPD患者では病気や障害の進行の程度により対処に違いが見られるが、受けとめは共通する部分があり、主観的QOLの向上には積極的な前向き思考や他者との交流を促進することが重要であることが示唆された。
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