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2002 年度 実績報告書

急性期精神科看護における「かけひき」の様相

研究課題

研究課題/領域番号 13672535
研究機関北海道医療大学

研究代表者

阿保 順子  北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (30265095)

研究分担者 内田 直子  北海道医療大学, 看護福祉学部, 助手 (00326555)
笹木 弘美  北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (20275499)
佐久間 えりか  北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (60265098)
石崎 智子  弘前大学, 医学部・保健学科, 講師 (50113783)
キーワード精神看護 / 看護師-患者関係 / 急性期状態 / 経験主義 / 看護判断
研究概要

本研究は、いわゆる内因性精神病の急性期状態の患者への看護者の対応に焦点をあてたものである。この時期の患者には、興奮が激しい場合、幻覚妄想状態にあるなど多くの困難がつきまとう。このような患者と対峙している看護者は、実践経験や経験知などをもとに対応していると予測された。そこで、本研究は、患者への直接的な働きかけ、特にその間に行われている患者との「かけひき」について可能なかぎり言語化することを目的にした。本研究で「かけひき」とは、「急性期の患者と看護者の間に対立が生じている状況において、看護者の意図することを患者になさせるための看護者の行為」をさし、精神科保護室という特殊な環境下において最も発動される可能性の高いものである。
研究方法は、精神科保護室内における看護者(精神科経験概ね3年以上)と患者のかかわりについての参加観察とインタビューによるデータ収集と、データの質的分析である。対象とした医療施設は、4施設(道外2カ所、道内2カ所)である。収集された68場面のうち、「かけひき」について分析可能と判断された34場面を分析場面とした。これらの場面には、患者数は15名、看護者は実数23名、延べ32名がかかわっていた。
分析の結果、一次コード137項目が抽出され、これらをカテゴリー化したところ、看護者主導で用いられる4つの要素(「反応をかわす」「文脈の切り替え」など)、看護者と患者の相互作用のなかで用いられる7つの要素(「患者の反応を鎮める態度」「患者への関心を示す」「納得を引きだす試み」など)が抽出された。これらの要素は、一つの要素で構成される場面もあれば、複数の要素の組み合わせで構成される場面もあり、この相違は、精神症状の程度など患者の状況に応じて用いられる「かけひき」の様相が異なることに由来するものと示唆された。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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