研究課題/領域番号 |
13672538
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
式守 晴子 東海大学, 健康科学部, 教授 (00298457)
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研究分担者 |
濱本 洋子 国立看護大学校, 教授 (40315700)
石垣 和子 千葉大学, 看護学部, 教授 (80073089)
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キーワード | 乳幼児 / 家族 / 災害 / 避難 / 精神保健 |
研究概要 |
平成15年度研究実績の概要 本年度の目標は、平成13年、14年の研究結果を踏まえて、三宅村から避難している乳幼児を抱えた家族に対して避難後3年目の現状を把握するためのアンケート調査を行う計画であった。しかし対象者の住所変更などによりアンケート調査を行うためには十分な対象者数を得ることが出来なった。これに関して三宅村関係者に対して乳幼児を抱える家族の現状に関して情報収集を行った。その結果避難後3年がたち、それぞれ個別の生活設計をたてて、状況を選択していることが伺えた。 そこで、長期にわたり乳幼児を抱えて避難生活を送る上での困難とそれへの対処を明らかにすることを目的として、過去2年間に行った個別調査の対象者の中で、特に母親自身が困難を訴えていた4事例を対象に、避難後3年目における生活上の問題の把握とその解決への介入を行った。その結果以下のことが明らかとなった。生活上の問題として第一に挙げられたのは、生活の不安定さである。これは避難直後から続いている問題であるが、帰島を望み、家族が定職につくことにためらいを感じていること、さらに三宅の復興の仕事を選んでいることがその一因である。このため3事例では父親が長期に島に戻り、母子だけ生活が続き、母親は子育てに関して不安を抱き、父親からの充分なサポートを得ているという実感を得ることができないでいた。第2は将来に対する見通しの不確かさである。乳幼児が成長し、入園、就学を迎える時期になると、将来を見通す生活設計を考える必要性が生じる。しかし帰島の目処はたたず、将来を描く拠り所をえることができない。これらのことから避難生活における不安は避難直後より変わることなく続いており、不安に対して対処できない母親は子育てに関して母親は悪循環に陥っていることが明らかとなった。なお、この結果は2003年地域看護学学会で報告し、2004年日本精神保健看護学会で発表予定である。
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