研究課題/領域番号 |
13672544
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研究機関 | 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター) |
研究代表者 |
中島 一樹 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老人支援機器開発部, 室長 (50207776)
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研究分担者 |
田村 俊世 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老人支援機器開発部, 部長 (10142259)
南部 雅幸 国立療養所中部病院(長寿医療研究センター), 老人支援機器開発部, 室長 (10333395)
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キーワード | 褥瘡 / 高齢患者 / 関節拘縮 / 体圧分散 / 画像処理 / 栄養状態 |
研究概要 |
本研究では、関節拘縮をもつ高齢患者のベッド上での仰臥位および30度側臥位における体圧分散の評価を行い、褥瘡予防に有効な体位保持方法を検討することを目的とした。本研究では高齢患者の協力が必要であったため、まず当該施設の倫理委員会で研究内容に対する承認を受け、患者または家族に対しては事前に研究内容を説明し、書面にて研究への参加が得られた場合のみ、計測を実施した。これまでに、関節拘縮のない高齢患者3名と関節拘縮を有する高齢患者6名が研究に参加した。褥瘡の管理では、やせて骨突出している場合、大転子をベッド面から30度傾ける30度側臥位が推奨されている。本研究に参加した高齢患者に対しても、30度側臥位が有効であるかどうか、さらに関節拘縮の有無による差があるかなどを検討した。体圧分布は全身を網羅するように50cm×200cmのマトリックスセンサで評価し、仰臥位と30度側臥位を患者に取らせた。仰臥位では骨突出により体圧が集中する部位が多く見られた。30度側臥位においても、特に関節拘縮を有する場合は、体圧の集中する部位が認められた。そこで、30度を中心に角度を調節したり、除圧補助具を導入することにより体圧集中が無くなるように患者ごとにきめ細やかに調節した。その結果、関節拘縮を有する患者の場合、体支持面積が狭く、体圧が集中することによる褥創発生の危険性が非常に高いことが示唆された。さらに褥創予防に有効とされる30度側臥位は、関節拘縮を有する患者に対しては、必ずしも有効とは限らず、個別に対応した体位保持方法を検討していく必要性があることが示唆された。
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