本年度の研究実績は以下の通りである。 1.東京大学総合図書館所蔵の和算資料約2000点について、書誌情報の調査と整理を実施した。和算家関孝和に関する情報を整理した概要については、平成15年度内に論文としてまとめ、発表を予定している。 2.目本学士院所蔵の和算資料約9700点について、岩波書店より『日本学士院所蔵和算資料目録』が日本学士院編として刊行された。(平成14年秋)本書の編集作業に本研究の研究代表者・佐藤賢一が参与した。なお、これらの情報はすべてコンピューターの端末に入力を完了しており、和算家関孝和に関する情報の抽出、整理に着手し始めている。 3.『国書総目録』に収録されている和算資料の情報を抽出し、再分類する作業を実施した。次年度も継続して行う予定である。最終的には、関孝和に関する資料が全国にどのように分布しているかを精査し、今後の調査活動への便宜を図っていきたい。次年度以降には、公開も視野に入れた整理を実施する。 4.関孝和の伝記を新出史料をもとに再検討するための作業を実施し、その総括として、『関孝和を巡る人々』を執筆し、『科学史研究』225号に発表した。
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