・当該研究期間を通じて、フィンランド王国ヘルシンキ大学、ロシア連邦サンクト・ペテルブルグ大学、ロシア科学アカデミー図書館、エストニア共和国科学アカデミー図書館などを訪問して資料調査・収集を行った。 ・サンクト・ペテルブルグ科学アカデミー、モスクワ大学その他ロシア帝国の高等教育機関、学術機関の外国人学者の招聘過程と数量的動態、彼らの学術活動の科学史・教育史上の意義について検討を行い、その成果を別掲「帝制期ロシアの御雇い外国人教師」としてまとめた。 ・サンクト・ペテルブルグ科学アカデミー創設過程におけるドイツの哲学者ライプニッツの関与について研究を行うとともに、これに関連する史料の収集に務めた。とりわけ、ライプニッツのピョートル大帝宛て書簡を発掘して、18世紀科学史におけるライプニッツの活動とロシア帝国との関連を解明した。 ・ロシア帝国を構成した多様な民族集団の存在に着目し、とりわけ西部国境地域におけるヨーロッパ的学術文化の存在、とりわけ沿バルト諸県におけるドイツ人貴族と彼らを母体とした学者集団がこの帝国のあり方にどう関連したかを、ロシア・ナショナリズムとの関連で解明し、別掲「帝国とネイションと学校」としてまとめた。 ・関連して、ロシア女性の学問上の活動と西欧大学との関連についても研究し、別掲『エカテリーナの夢 ソフィアの旅』等の一部分としてまとめた。
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