研究概要 |
コンピュータシミュレーションは,競技スポーツにおける最適動作の推定や新しい技術の開発に適用することが可能であり,競技成績向上のために極めて有用な手法である.しかし,体育・スポーツの指導現場における現状は,コンピュータシミュレーションを有効に利用しているとは言い難い.これは,簡便に利用できるシミュレーションシステムが存在せず,シミュレーションシステムの導入が容易でないことが理由として考えられる.そこで,本研究では,汎用かつ簡便な身体運動のシミュレーションシステムを構築することを目的とした.平成13年度の研究実績としては,以下の2点に集約できる. (1)剛体リンクモデルの構造定義ファイルの検討 シミュレーションシステムに汎用性を持たせるためには,リンク数,接続構成,境界条件などの剛体リンクモデルの構造を簡便に変更できるようにする必要があった.そのために,剛体リンクモデルの構造を定義する「構造定義ファイル」について検討を行い,汎用性を考慮したファイル構造を決定した. (2)シミュレーションシステムのコアシステムのプログラミング 上記の「構造定義ファイル」に基づいて,剛体リンクモデルの運動方程式や拘束方程式などを自動的に導出し,さらに,それらの方程式を解くことで身体運動のシミュレーションを実行するコア部分のプログラムを,MALBAB言語を用いて構築した. なお14年度は,身体運動シミュレーションの制御変数である関節トルクや関節角度をGUIを用いて変更するシステムの構築を行い,システムの利便性,簡便性を高めていく予定である.
|