平成14年度は、平成13年度に作成した幼児の習慣的な身体活動パターンを直接観察測定する方法を実施し、習慣的な身体活動の傾向を明らかにするとともに、幼児の運動能力や幼児の運動有能感の認知との関連に関して検討を行うことを目的に研究をおこなった。測定は、自由保育を行っている2つの幼稚園で行い、被験児は各園の年中、年長の男女の園児(男・女)を対象に測定を行った。測定は6月と11〜12月の2つの時期に行った。2つの時期に行った測定内容は、以下の5項自である。 (1)幼児の自由遊び場面の身体活動パターンの測定(測定は1週間あけて2回測定) (2)身体活動パターン測定当日の家庭での身体活動の親による標定(測定は1週間あけて2回測定) (3)研究者達が以前作成した幼児の運動有能感尺度(各時期1回) (4)東京教育大学体育心理学研究室作成の幼児の運動能力検査5種目(25M走、体支持持続時間、ソフトボール投げ、立ち幅跳び、両足連続跳び越し) (5)担任教諭による幼児の行動評定 本年度は、以上の測定を実施し、データを収集し、整理・入力し分析を行った。また、現時点までの分析の結果では、幼児の習慣的身体活動パターンを明らかにするために測定期間を2回、直接観察法で行った結果として、身体活動のパターンが2回の測定で安定したケースと変化するケースが同程度出現していた。このことは、幼児の活動量を見るには1回だけの観察では不十分であり、最低2回の観察を行う必要性が指摘された。また、この習慣的身体活動パターンと運動能力、運動有能感の間に関連があることが明らかになった。
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