被検者には実験の趣旨および危険性を十分に説明した上で承諾を得、同意書に署名した高校1年生から大学4年生までの投手を用いる。 実験I被検者に対して十分なウオーミングアップを行わせた後、バイオデックスを用いて角速度180度/秒における以下の筋力テストを行う。 (1)肘の最大伸展および屈曲筋力 (2)膝の最大伸展および屈曲筋力 (3)前腕の最大回内旋筋力 (4)肩関節の最大伸展筋力 これらの筋力測定の後、1イニング15球からなる9イニングの全力投球を行わせ、投球直後から5日後まで毎日行い、低下した筋力の回復過程を明らかにした。 その結果、投球前の筋力を100%とした場合、前年同様多くの被検者で投球2日後に筋力はほぼ100%の状態に回復していた。また、経年による変化はほとんどなかった。 実験II 実験Iの影響をなくすために十分に休養をした後、実験Iと同様の筋力測定を行う。 筋力測定の後、被検者には1イニング15球からなる2イニング30球の全力投球を3日間連続で行わせ、4日目に実験Iと同じ筋力測定を行った。 その結果、1日30球、3日間の全力投球では、前年同様ほとんどの被検者において有意な筋力低下は認められなかった。
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