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2003 年度 実績報告書

抗酸化剤が筋疲労時における筋小胞体の機能に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 13680030
研究機関広島大学

研究代表者

和田 正信  広島大学, 総合科学部, 助教授 (80220961)

研究分担者 長谷川 博  広島大学, 総合科学部, 助手 (70314713)
安田 俊広  福島大学, 教育学部, 助教授 (50323184)
松永 智  大阪市立大学, 体育学研究室, 講師 (70221588)
キーワード筋小胞体 / 活性酸素種 / 抗酸化能力 / 筋疲労 / 抗酸化剤 / カルシウムポンプ機能
研究概要

抗酸化剤であるN-acetylcysteine(NAC)が,収縮を継続して行うことに伴う筋の発揮張力の低下,いわゆる「筋疲労」を軽減する効果を持つことが知られている.本研究では,この筋疲労軽減効果が筋小胞体(sarcoplasmic reticulum ; SR)の機能の変化を介して起こっているのか否かについて検討した.Wistar系ラットの横隔膜をコントロール(C)群と実験(E)群に分け,これらをさらに電気刺激による筋収縮を0秒,60秒,120秒,180秒あるいは300秒間負荷する群に細分した.C群は通常のリンガー液中に,E群は10mMのNACを含むリンガー液中に1時間置いた後,電気刺激を与えた.刺激頻度は30Hz,1回の刺激時間は350msecであり,この刺激を2秒に1回負荷し続けた.刺激中は,継続的に張力を計測した.刺激終了後,筋をホモジナイズし,得られた抽出液からSRの機能を測定し,以下の結果を得た.
1.刺激開始後の張力は常にC群よりE群において高く,刺激開始60秒以降両群間に有意な差異が認められた.
2.SR Ca^<2+>取り込み速度,SR Ca^<2+>放出速度およびSR Ca^<2+>-ATPase活性は,刺激開始前と比較すると300秒間の刺激後では,C群,E群ともに有意な低値が観察された.
3.SR Ca^<2+>取り込み速度,SR Ca^<2+>放出速度およびSR Ca^<2+>-ATPase活性は,刺激開始300秒後ではC群とE群との間に統計的に有意な違いは認められなかった.
4.SR Ca^<2+>取り込み速度およびSR Ca^<2+>-ATPase活性は,刺激開始60秒,120秒および180秒後において,C群よりE群において高値が認められた.
5.SR^+放出速度は,刺激開始120秒および180秒後において,C群よりE群において高値が認められた.
以上の結果から,予め筋線維の抗酸化能力を高めておくことによる筋疲労軽減効果に,疲労中期ではSRの機能の変化が関与していることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 三島隆章ほか: "H-acetylcysteineが筋疲労時の横隔膜筋小胞体に及ぼす影響"広島体育学研究. 29. 27-34 (2003)

  • [文献書誌] Matsunaga et al.: "Oxidation of SR Ca^<2+>-ATPase induced by high-intensity exercise"Pflugers Archiv. 446. 394-399 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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