研究課題/領域番号 |
13680032
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 教授 (20101470)
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研究分担者 |
藤野 武彦 九州大学, 健康科学センター, 教授 (20108773)
斉藤 篤司 九州大学, 大学教育研究センター, 助教授 (90195975)
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キーワード | 抱合型アドレナリン / 抱合型ノルアドレナリン / 抱合型ドーパミン / 持久的トレーニング / 血漿カテコラミン |
研究概要 |
身体運動トレーニングによって抱合型カテコラミンが影響を受けるかどうかを検討するために、1)持久的運動部学生、非持久的運動部学、運動習慣のない学生の比較研究、2)3ヶ月間のトレーニング研究、を行った。1)の研究の被験者は、大学の陸上部の長距離選手17名、柔道部の選手10名(柔道群)、運動習慣のない学生10名(一般群)であった。また、2)の研究の3ヶ月間のトレーニングを行った被験者は大学院生7名であり、同年代の大学院生7名をコントロール群とした。 最大酸素摂取量は長距離選手群が56.3±3.1ml/kg/minで、柔道群の50.2±4.7ml/kg/minや一般群の43.9±3.3ml/kg/minより有意に高かった。しかし、血漿の抱合型アドレナリン、抱合型ノルアドレナリンおよび抱合型ドーパミンには有意な差が認められなかった。またトレーニング群の最大酸素摂取量はトレーニング前後で有意に増加した(前:47.8±7.5ml/kg/min、後:50.1±8.0ml/kg/min)が、いずれの抱合型ヵテコラミンにも有意な変化は認められなかった。 抱合型カテコラミンに及ぼす運動トレーニングの影響を検討した研究として、イヌを用いた研究がある。イヌに8週間〜12週間の持久的トレーニングを実施することによって、血漿の抱合型のドーパミンおよびノルアドレナリンが有意に増加していた。しかし本研究では、2つの実験においていずれの抱合型カテコラミンにも運動トレーニングの影響は認められなかった。したがって、若い健常な人の場合、血漿抱合型カテコラミンに持久的運動トレーニングの影響はないと結論される。
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