研究課題/領域番号 |
13680034
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
管原 正志 長崎大学, 教育学部, 教授 (20039564)
|
研究分担者 |
田井村 明博 長崎大学, 環境科学部, 教授 (10136624)
土屋 勝彦 長崎大学, 環境科学部, 教授 (90073006)
山内 正毅 長崎大学, 教育学部, 教授 (00128232)
上平 憲 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80108290)
|
キーワード | 車椅子競技者 / 暑熱環境 / フィールド / 平均皮膚温 / 鼓膜温 / 発汗量 / カテコールアミン |
研究概要 |
平成14年度は、暑熱下のフィールドでの運動時の体温調節及びストレス反応の検討を実施した。被験者は、脊髄損傷者で車椅子マラソン競技者5名と車椅子バスケット競技者5名(いずれも車椅子競技者)、そして健康な大学生男子5名である。測定は、平成14年7月下旬より9月中旬の間である。運動負荷は、車椅子マラソン競技者は一周2kmのコースを90分間の練習、車椅子バスケット競技者は体育館内で90分間の通常練習、大学生は90分間のランニングをそれぞれ実施した。運動中は自由飲水とした。測定時期の環境温度は、WBGTで27.6〜42.4℃であった。測定項目は、運動前後の体重差と飲水量より発汗量、全身6ヶ所の皮膚温より平均皮膚温、心拍数、鼓膜温、血液水分%そしてカテコールアミンである。 運動中の平均心拍数は、車椅子バスケット競技者が最も高く、次いで車椅子マラソン競技者、大学生であった。運動中の平均皮膚温は、車椅子バスケット競技者が最も大きく、車椅子マラソン競技者、大学生の順であった。運動による発汗量は、車椅子競技者の方が大学生より少なかったが、飲水量に違いはなかった。運動中の鼓膜温の上昇は、車椅子バスケット競技者が最も大きく、大学生は小さかった。運動による血液水分%の減少は、車椅子競技者が大学生よりも多い傾向であった。カテコールアミンは、アドレナリン、ノルアドレナリン,ドーパーミンともに運動開始後高くなり、その上昇は、終始車椅子競技者が大学生より大きい傾向であった。 暑熱下屋外、屋内各運動現場での運動時における体温調節の感受性や熱産生反応は、車椅子競技者が一般大学生より低くかったのは、脊髄損傷が暑熱下運動時の体温調節に少なからず影響を及ぼしていることが示唆され、暑熱下での車椅子競技者の運動に際しては、熱障害発生の予防として、十分な水分補給や気温の高い時間帯を避けるなどの工夫が望まれる。
|