研究概要 |
(平成13年度) 低酸素暴露開始後の形態学的および免疫組織化学的検討:低酸素暴露解除後のラット頚動脈小体内のペプチド性神経支配を検討するに先立ち、低酸素暴露開始後2週4週、および8週の経時的変化を検討した。ラット頚動脈小体は、暴露2週後で1.4倍、4週後で2.1倍、8週後で2.6-2.8倍に大きくなった。各種神経ペプチド抗体(SP, CGRP, VIP, NPY)を用いた免疫組織化学的検討により、SPおよびCGRP陽性線維の分布密度は暴露後4週で有意な増加が認められたが、その後8週ではコントロールレベルよりも低い値を示した。VIP陽性線維は全ての時期で有意な増加が認められたが、暴露後4週で高い分布密度を示した。NPY陽性線維の分布密度は暴露期間による有意な差は認められなかった。 (平成14年度) 低酸素暴露解除後の形態学的および免疫組織化学的検討:低酸素暴露解除1週の頚動脈小体は低酸素暴露解除時に比べ既に有意に縮小した。低酸素暴露解除4週および8週では、ほぼコントロールレベルの頚動脈小体の形態に戻った。低酸素暴露解除後1週で著明な血管径の縮小する傾向か認められ、暴露解除後8週でほぼコントロールレベルにまで戻っていた。一方、SPおよびCGRP陽性線維の密度は、低酸素暴露解除後に徐々に回復傾向を示した。解除後8週のSPおよびCGRP線維の密度はほぼ正常環境下の密度にまで回復した。VIP陽性線維の密度は、低酸素暴露解除後1週ですでに正常環境下レベルにまで回復傾向を示した。NPY陽性線維の密度は、低酸素暴露解除後1週、2週および4週で有意な増加傾向を示した。
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