| 研究概要 |
運動トレーニングが防衛体力に影響を及ぼすことは明らかである.その一方でトレーニングの種類や期間により免疫応答が異なり,特にトレーニング期間の違いは免疫応答の「質」を変化させるという可能性が推察される.そこで本研究の目的はトレーニング期間の違いと白血球の動態・機能を捉え,その背景にあるメカニズムを明らかにすることである.被検動物は5週齢のddY系雄性マウスを用いた.マウスはトレーニング群(E),座業対照群(SC)と対照群(C)に分けられた.トレーニングは7週齢より開始した.トレーニング運動は水泳運動を行い,頻度は5回/週であった.トレーニング期間は2,4,12週間とした(感染に対して抵抗力を高めた-1998年度-).採血は最後の運動トレーニング終了24時間後に行った.測定項目は白血球数,リンパ球,単球,顆粒球,リンパ球サブセット(CD3, CD4, CD8, CD19)とした.その結果,トレーニング2週間群の白血球数はC群,SC群に比べE群で高い値を示した.単球,リンパ球の相対値に差はなかった.リンパ球サブセットについても変化はなかった.トレーニング4週間群の白血球,リンパ球,単球,顆粒球,リンパ球サブセットは各群間に差はみられなかった.以上の結果から,大腸菌感染に抵抗力を示した運動トレーニング群はそのトレーニング期間により賦活される防御系が異なることが推察された.尚,トレーニング12週間群は現在検討中である.
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