研究概要 |
今年度は,以下のようなテーマにもとづいて,スポーツ動作の特異性にあわせたトレーニング機器の開発を行ってきた. (1)超音波画像処理を用いた筋・腱の運動解析 昨年度から引き続き,足関節を静止した状態で前脛骨筋の超音波画像をとり,それをリアルタイムで処理して,羽状角度を提示することを行ってきた.また,筋束・腱板の接合点をマーキングしてその接合点移動距離を計測するソフトを開発し,測定精度を高めてきた. (2)インピーダンストレーニング機器の開発 DDモーターを使用して,肘関節屈曲・伸展トレーニング用の機器の開発を行った.任意のインピーダンスを呈示することで,過負荷と特異性の原理を両立できるトレーニング負荷の実現を目指した.また,呈示するインピーダンスは,可変制御できるシステムを目指した. 本装置は,トレーニングマシーンであるため,常に人間と接触するため,装置の安全性には格別の配慮をし,運動可動域を越えた時点で強制的に停止するようにした.また,安全スイッチによる停止もできるようにした.トレーニング負荷となるインピーダンスの呈示は,ルンゲ・クッタ・ジル法を用いたPDフィードバック制御を用いて行った.現在までのところ,剛性,粘性の呈示は理論値とほぼ近似した出力値を示す.その一方で,慣性の値については,理論値と出力値にばらつきが見られる.この慣性項の精度を高めることにより,任意のインピーダンスを呈示し,また可変制御可能なトレーニングシステムが完成できる.
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