1)幼児の身体活動評価尺度の開発 平成14年には、「よく動く子」の概念を具体化する調査から尺度項目の収集を行い、平成15年度は、その56項目から23項目を選出し、さらに探索的な因子分析により4因子15項目の尺度項目を決定した。その後、信頼性の検討として、内的一貫性と再現性を調査し、最後に妥当性の検討として、構成概念妥当性と、ライフコーダを用いた活動量による併存的妥当性を調べた。その結果、「プレイ」「リーダー」「チャレンジ」「ソーシャル」の4因子で構成される「子どもアクティビィティ尺度」が開発された。 2)幼児の身体活動量増強のための介入と検証 愛知県内の私立R幼稚園を対象にして、活動量増強をねらいとしたプログラムを作成し介入を行い、効果を検証した。「動いてみたくなる」ための短期的プログラムとして、行動科学の理論と技法に準拠したアプローチを構想した。介入効果については、ライフコーダを用いた活動歩数測定の結果、男女児ともに活動歩数の増加が見られ、特に非活動群への介入効果が顕著であった。環境からのアプローチ、保育者からのアプローチ、親からのアプローチを複合させた短期的な介入の構想は、幼児の活動量を増強させる観点として有効であり、介入に際しての有用な知見を得ることができた。 3)「こころとからだで表すプログラム」の実践と考察 身体表現遊びのなかで物語をつくる過程のモデル(平成14年度作成)に準拠して、幼児の模倣という行為に着目し、模倣のパターンの分類を試みた。こころが動くことによってからだが動き、からだを動かすことによってこころが動くという相互作用の意義を確認した。
|