研究課題/領域番号 |
13680089
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
堀 信行 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (40087143)
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研究分担者 |
松尾 容孝 専修大学, 文学部, 教授 (20199764)
大山 修一 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (00322347)
岡 秀一 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (50106605)
高岡 貞夫 専修大学, 文学部, 助教授 (90260786)
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キーワード | 霊山 / 色季 / 色彩景観 / 植生景観 / ドメスティケーション / 景観生態学 / 空間構造 / 景観認識 |
研究概要 |
富士山、大山のような大きな山体から安芸の宮島のような小規模なものを抽出して、植生の季節変化と、とくに植生に関与している人為的な影響について吟味しながらそれぞれが調査をおこなった。具体的には極相林と二次林の分布と最近数十年間の変化を空中写真と現地調査から押さえるなど神社と植生の空間配置配慮しながら検討した。 また、とくに大山は、ソテツの栽培、半栽培、野生状態を観察し、関東以南の寺社仏閣のソテツ庭園から、ソテツに着目した植物と人間との関係を昨年に引き続き検討した。 また、全体の総括として霊山の植生のとくに杉と桜と紅葉に注目し、この象徴的な樹種が日本の景観形成に重要な役割を演じていることを事例を引きながら示す考察をおこなった。杉に関しては極めて人為的に鎮守の森の象徴として植栽されている事例を多く得た。一方、紅葉については、秋の紅葉が赤くなることで、一年の農耕歴の終わりを教える色であること、それが霊山であればあるほどその意味が強調されていることが示唆された。このあと冬の籠りを経て、翌年の春の生命の再生の象徴としての桜が意識されていることを事例を通して示唆された。したがってこうした考えを背景に、自然植生に人為的な意識が反映されて、植生に変化を与えてきたことが示唆された。これらについて、まだ資料の整理が完了せず、現在6月を目標にまとめをおこなっている。
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