研究概要 |
1.日高山脈北部の氷河地形・堆積物の精査 夏期に日高山脈トッタベツ川流域を対象として現地調査を行ない,氷成堆積物と氷河地形の記載・マッピングを行った.現地調査は大学院生の調査補助を得て,1週間程度2回実施した.この際,堆積物中から年代試料となる埋没木片を新たに発見し,放射炭素14年代測定および樹種鑑定に供した. 2.日本アルプスの氷河作用との対比 北海道日高山脈の氷期の氷河拡大時期を他の日本列島山岳地域における氷河拡大時期と対比するため,北アルプス蒲田川流域において現地調査を実施し,氷成堆積物と氷河地形の記載・マッピングを行った.この際,堆積物中から年代試料となる埋没木片を新たに発見し,放射炭素14年代測定に供した. 3.気候観測にもとづく氷河・永久凍土の形成環境の復元 日高山脈北部山稜域を対象として,山岳地域山頂部における気温観測(2地点)と岩塊地の地温観測(15地点)を実施した.秋季にモニタリングデータを回収し,記録データの解析を行った.その結果,カール壁・カール底における山岳永久凍土および風穴現象の存在を確認できた. 4.研究成果の発表 8月に東京で開催された第5回国際地形学会講において,上記の成果の一部を口頭およびポスターにて発表した.さらに論文として成果をまとめて,学会誌に投稿するため,準備中である.
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