本研究は、これまで10数年間断続的に行なってきた佐賀県における高齢者に関する調査・研究を発展させたものである。そこで本テーマでの研究をスタートさせるにあたり、まず、これまでの調査・研究の内容を老親子同居観に絞ってまとめた。この成果については、雑誌『家庭科教育』(家政教育社)に「佐賀県における老親子同居観の考察」と題して(原稿依頼もあり)発表した。 また、日本(佐賀県)における老親子関係を探求するために、日韓の国際比較を計画していたが、今年度は、まずは韓国の高齢者の生活にふれたいと考えた。そこで、研究分担者とともに、ソウルの高齢者施設の視察旅行(2泊3日)に出掛けた。視察先は、日本の高齢者センターにあたる「瑞草老人総合福祉館」と「ソウル老人福祉センター」、そして、日本の養護老人ホームにあたる「ソウル市立養老院」と「青雲養老院」である。各々、施設長か社会福祉士の資格をもっている職員に対応してもらい、丁寧な説明と質問への回答を得た。施設利用者とも歓談できた(高齢者なので日本語が話せる)。日本(佐賀県)でも高齢者施設には度々訪問しており、ソウルでの施設利用状況を日本と比較しながら見ることができ、大変有意義であった。同じ「敬老」でも、実行するプロセスに微妙な違いがあると感じ、この点についても今後研究を深めたいと思う。なお、この視察旅行の成果についても、公表できる形にする予定である。
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