研究課題/領域番号 |
13680119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
家政学一般(含衣・住環境)
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
甲斐 今日子 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (10194656)
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研究分担者 |
井上 伸一 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (80260727)
檜垣 靖樹 佐賀大学, 医学部, 講師 (10228702)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 温熱環境 / 皮膚血流量 / 重心動揺 / 疲労 / 冷え症 / 就労女性 |
研究概要 |
男女雇用機会均等法の施行に伴い、定年退職まで働き続ける女性が増え、働く女性の健康維持のための環境整備は、これまで以上に重要な課題である。佐賀県内の就労女性の健康調査を実施したところ、働く女性のほぼ半数以上が何らかの身体的不調を有しているという結果が得られた。それらの中には、臨床的な治療を必要とするものもあるが、職場環境を含む生活環境の改善により症状が緩和すると思われるものも少なくなかった。肩こり、腰痛、身体の冷えや疲労感などがそれであり、長時間冷房環境下で働く女性は有意に高率であった。その一つが、身体の冷えと冷えを起因とする様々な身体の不調である。 そこで、職場の温熱環境が女性の健康に及ぼす影響、特に冷え過ぎによる影響について明らかにすることを目的とした。銀行員と学生を対象として皮膚血流量と重心動揺の測定を行った。その結果を冷えを有する群(A群)と冷えを有しない群(B郡)により比較検討を行った。 銀行員の一日の皮膚血流量を比較した場合、冷えを有しない群に比較して冷えを有する群は、昼食前、昼食後および終業時のいずれにおいても末硝部皮膚血流量が有意に低値を示している。これは学生の場合も同様であっった。特に、昼食後の皮膚血流量は有意に差が認められた。冷えを有しない群は昼食前に減少していた末梢部皮膚血流量が、昼食後には一旦その量が増加し回復を見せるが、冷えを有する群は、昼食後も低値を示したままである。以上のように、冷えを有する群は、冷えを有しない群に比較して、クーラーによる冷え過ぎの影響をより強く受けるということが明らかとなった。 また、その冷えすぎによる影響は、疲労や身体不調に繋がる。女性の健康調査の結果と併せて検討を加えたところ、冷えを有する群(A群)と冷えを有しない群(B群)とに分類した場、四肢末梢の冷え感だけでなく、不眠、肩こり、便秘などの身体不調についても有意な差が認められた。 さらに、重心動揺の結果については、冷えを有する群はクーラーの効いた部屋で終日過ごすことにより、身体のバランスが悪くなったものと考えられる。しかしながら、今回の結果は有意な差ではなかったので、今後さらに検討を加える必要がある。また、重心動揺の変化を疲労度の指標として有効であるかについても検討を要する。
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