研究概要 |
本年度は、変化要素として、壁の色、ソファの色、光源の色温度、照度を取り上げた。 壁の色は色相を10YRと10B、明度を6と8、彩度を2と4(明度6の場合)とし、計6種類とした。ソファの色は昨年使用した有彩色4色とし、光源は3波長域発光形電球色(3,000K)および昼白色(5,000K)蛍光ランプ、机上面照度は150lx、300lxとした。以上の組み合わせ、合計96対象についてSD法による評価実験を行った。 また、高齢者、若齢者の色彩感度の違いを検討するため、日本色彩研究所監修の色感テストを使用し、住宅内での明るさに近い条件(机上面照度300lx、3波長域発光形白色蛍光ランプ)でテストを行った。 評価実験の被験者は、高齢者が1対象につき15名から16名(平均年齢75歳)、若齢者は6名である。 色感テストでは、高齢者は若齢者よりも色に対する感度が劣ることが確認された。 評価実験から、以下のような結果が得られた。 因子分析を行ったところ、高齢者の場合と若齢者の場合では因子構造に違いがみられた。 高齢者、若齢者ともに、壁の色よりもソファの色による室のイメージへの影響が大きい。 明度の高いB系を基調としたインテリア配色は高齢者には好まれるが、若齢者には好まれない。 高齢者、若齢者ともにどの照明条件の場合にも価値・活動性が向上する方向に働くのは、明度が高く、彩度の低いYR系の壁、明度の高いYR系のソファの同一色相配色の場合である。
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