研究概要 |
老後も住み慣れた地域に住み続けることができるような地域づくり(1)が進められている先進地域(岩手県藤沢町、広島県沼隈町、神戸市真野地区など)に赴き、現地調査や資料調査を行い,次のようなことがわかった。 ▼上記の地域では、上記(1)のような地域づくりが、ソフト・ハード両面にわたって進み、大きな成果が生まれている。それぞれの地域づくりには、共通点と差異(地域性・個性)がある。共通点としては、住民の手による地域づくりが積極的・自主的に行われており、多くの高齢者がその取り組みに参加している。また、誰もが暮らしやすい地域づくりが進められており、その中に上記(1)のような地域づくりが位置づけられている。 ▼藤沢町、沼隈町では、行政が、住民による地域づくりを全面的に支援するシステムを構築している。その結果、行政による地域づくりと住民の手による地域づくりが,どちらも進んでおり、互いに相乗作用し、大きな成果をあげている。 ▼神戸市真野地区では、行政がハードの地域づくりの面で、住民の手による地域づくりをかなり支援している(ソフトの地域づくりの面での支援は少ない)、上記(1)のような地域づくりが進んでいる。ただし、阪神淡路大震災後、新たな課題に直面し、苦闘しつつ、この新たな転喚期を乗り越える取り組みが進みつつある。 ▼女性の生活ニーズを反映した地域づくりの視点から、上記のような地域づくりについて検討した結果、高齢者介護をはじめとして、子育て・教育・地域の風習など、女性の生活ニーズを総合的に反映した地域づくりが重要であることが部分的に解明された。
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